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人生の「黒帯」
2017年03月19日
☆5歳からウチの道場に入会して12年、今日昇段審査に臨んだ稽古生。
2000年8月「極真会館 東京西支部」として空手道場を始め、1000名以上の子供たちが入会した。
その中には全国大会での優勝者5名、入賞者多数、地方大会での優勝者、入賞者は数知れず、本当にたくさんの少年部稽古生たちが選手として頑張ったが、「学業」「部活」「習い事」「飽き」などで途中退会したため、空手を継続して中学生、高校生で「黒帯」に辿り着いた人間は一人もいない。
少年部上がりの黒帯は初めてのこと。
ウチの道場は少年部で黒帯は有り得ない。機転を利かせ、周りの人たちにプラスな事が出来る人間になる事が第一と考える道場なので、小学生でそれは難しく、黒帯には辿り着けない。
小学生では優秀でスムーズに進んで茶帯、普通は緑帯が限界。
強さ、巧さだけでは昇級昇段出来ない。
そのため、黒帯になるには中学生、高校生と継続するしかなくなる。
彼は来月から高校3年生、5歳の年長の時からよく辞めずに頑張って来た。
途中、2度やめなくてはいけなくなりそうな時はあった。
学校の成績が下がった時、経済的に道場に通えなくなりそうな時だ。
学業は猛勉強をして成績を上げ、親を納得させて空手を継続出来るようにして、アルバイトで貯金して、金銭的に親に負担を掛ける事がないようにした。
人生の中で空手をやめる理由なんか、いくらでもある。
しかし、彼はやめようとは絶対にしなかった。中々出来ない事である。
そして今日、初段黒帯を目指して基本、移動基本、型、三本組手、体力審査を経て、最後の30人組手に挑んだ。
ウチの昇段審査は、受審者の年齢、技量、力量によって1分間×30人〜50人の組手をする。
しかも、一切の休みなし。一秒も間を空けず、次から次へと元気な対戦相手が向かって来る。
今回、本当に良く頑張ったと思う。道場のガラス越しに、彼の両親、親戚が応援を兼ねて観に来ていた。
代わる代わるの激闘をし、覇気がなくなれば私から竹刀で、お尻をメッタメタに叩かれる。
彼の両親、祖母は、死にものぐるいで頑張る息子、孫をどのように観ていたのだろうか。
感極まったのだろう、審査会後、道場に父親が入って来られて、これまでの御礼を言いに来て下さった。これからも宜しくお願い致しますとの事だった。
気持ちが弱い、勇気がない、情けなかった息子が成長し、周りが震え上がるような根性をみせる感動の組手をやった事が、親として誇らしかったのではないかと思う。
私のやり方は世間では中々理解して貰えない。そんな中で、黒帯まで辛抱した本人、ご両親は本当に素晴らしいと思う。
大変、よく頑張りました!
昇段おめでとう^_^!!!