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鍛錬

☆今日、少年部の稽古の最中に外からずっと稽古を観ている人影があった。

稽古が始まる前からもう外は暗いから、誰が観ているのかはわからない。

外から覗いている人間がいるのは珍しいことではないので、気にしないで稽古を継続していた。

稽古後、少年部の保護者への受け渡しが終わった時、黒帯の大村が「外に昔の少年部のSくんが来ていて、師範にご挨拶がしたいと言っているのですが、大丈夫でしょうか」と言って来た。

私は「ん?S?いいよ、大丈夫だ」と答えて、久しぶりにSと会った。

外に出ると小6まで通っていたSが直立不動で立っていた。
約10年ぶりである。

「お〜^_^!元気にしてたか?急にどうした?何かあったか?」と聞くと、ランニングの途中で道場の近くに来たら、私が稽古をやっているのが観えて、ずっと外で見ていたらしい。

稽古を観ていたのはSだったのだ。

現在は府中消防署に勤務する消防士らしく、府中消防署はレスキュー隊の厳しい訓練で有名で、他の消防士とは厳しさが全く違うらしい。
人命救助の特殊部隊だから、厳しくて当たり前か^_^。

私が「今は自衛隊くらいしか、本当に厳しい訓練をやっているところはないんじゃないか?
警察も厳しく鍛えているはずが、バカな部下のチクリで処罰される時代になって軟弱化が進んで、市民を置いて逃げる警官や消防士ばかりだろう」と言ったら、ウチの黒帯の大村(消防士)が、府中のレスキュー隊は違うという。

私はSと簡単な世間話をして最後に「頑張れよ!」と声を掛けるとSは「小学生の頃、道場で厳しい稽古をやっていたので、厳しい訓練も大丈夫でした」という。

確かにあの頃の稽古生たちは尋常ではないウチの稽古に耐え切っていたから、どんなことでも乗り越えられるだろう。

当時も今の時代も、あんな道場は世界中何処にも存在しないレベルの厳しさ(稽古だけではなく、所作振る舞い、日常生活にも厳しかった^_^)だったから、時代が変わった今、このSも含めて懐かしく思う気持ちがわかるような気がする^_^。

Sは隣の日野市に住んでいるらしいから、ちょくちょくウチの道場を覗いていたかもしれないが、10年経過して懐かしい思いが抑えられなくなったのだろう。

昔の稽古生たちは、「厳しさ」の重要性に気付いているから皆んな懐かしく思ってくれていても、現在の子供や親がそう思っていないから、全く継承されない。

もう私のやり方は軍隊や特殊部隊にしか受け入れられないのだろう^_^。

私一代限りの我が道場、あと何年継続出来るかわからないが、仁心道場として出来る限りのことをして行く覚悟だ。

最近、「昔の良さを認識しろ、思い出せ」とメッセージを貰っているような出来事(かつての弟子たちの成長)が多い。
この意味をしっかりと受け止めたい。押忍。

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