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「段位」って何だろう
2018年06月10日
☆「段位」って何だろう?
この「段位」に対する「邪欲」で極真分裂の細分化が国内外、急速に早まった時期があった(おそらく今でもそうだろう)。
世界のあちこちで新たな極真組織を立ち上げて、高段位を与え、たくさんの稽古生を抱える道場主を呼び込み、より組織を大きく見せるためだ。
たくさんの道場主も、どの組織が一番良い待遇で、高段位を与えてくれるかを見定めて組織を選ぶ。
私が初段(黒帯)を大山倍達総裁から頂いた頃は審査で段位を認可されるのは三段までで、四段からは組織の推薦で昇段するというシステムだった。
大山茂師範、中村忠師範が六段、盧山師範、西田師範クラスが四段だった頃だ。
その為、私はいつか三段を取得出来る様になれば、段はそこまでという思いでいた。
しかし、何年かすると、五段まで昇段審査が行われるようになった。
ある先輩が大山総裁にお願いして、新しいシステムが始まった。
新たな目標が出来て、最初は良かったように思う。
大山総裁も亡くなり、時は流れ、時代が変わり、考え方も変わってくると、「お前なんかが受けるのか?」的な感じの人間が増え、ただのライセンス取得のような状態になり、その価値は下がり「段位」のインフレ時代が来た。
そんな中で、日本国内だけではなく、海外では更に極真組織の分裂が進む。
元は1つの濃い密度あるオレンジジュース(極真組織)は、バラバラに分裂することで、それぞれの組織が、薄〜いオレンジジュースとなった。
世間一般に「ウチこそが真の極真だ!」とアピールするためには「数」が必要、まず「質」ではなく「数」だ。
そのため「段位」は有効な手段になって行った。
私よりキャリアが圧倒的に浅い海外の道場主たちが、アッという間に私の段位を超えた。
一番驚いたのは、私が五段の時に三段だった人間が(当然私より年下)、現在は私より遥か上の八段になっている人間が数人いたこと。
もちろん、それぞれ組織の都合があるから仕方ないのだろうが、「段位」って何だろうな、「ライセンス」じゃないのになと思っている。
確かに黒帯、段位は「資格」「ライセンス」なのだが、「ライセンスではない」という解釈が出来る人間にしか、私の言いたいことはわからないと思う。
空手に関わって42年になる今、「段」なんかどうでもいいじゃねえかと思いながらも、我が師「大山倍達」総裁から「黒帯に金筋を入れるのは筋金入りになった証。しっかり入れないとダメだよ」と言われたことを思い出す。
稽古になれば段位も流派も関係なく「空手は空手」。
そんな気持ちでこれからもいたいと思う。押忍
☆写真は現在の六段の帯と極真の五段の帯。20年前の35歳の時に五段を頂いたが、道場も持たず支部長でもないのに推薦ではなく、昇段審査を受けて五段になったのは、当時では世界で最年少だったはず。良い思い出です。
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